ヤナセ産業機器販売株式会社

製品コラム

「モスキートマグネット」に関する、コラムをご紹介します。

二酸化炭素、温度、湿気、ニオイを敏感にキャッチ

蚊は気温が高くなると活発な活動をします。メスの蚊は特殊な触覚で数百メートルはなれた先からでも動物や人間の息である二酸化炭素のニオイを感知して、発生元に近寄ります。さらに動物のニオイに興奮して、その発生元に大接近します。蚊は二酸化炭素の濃度が高く、温度が高いところへ向かう習性があります。また、数百メートル先でも動物の臭いを敏感に察知します。蚊の触角のセンサーは、身体から出る二酸化炭素や体温、臭いに反応し、人などの血を持つ動物に接近するのです。

運動後やビールを飲んだ後は、狙われやすい

そのため、体温が高く、呼吸回数が多い、新陳代謝が激しい人は、蚊に刺されやすいと言われます。また、新陳代謝量が増える運動をした後や、ビールを飲んだ後は息の中の炭酸ガス、つまり二酸化炭素が増えるため、蚊に刺されやすくなります。また太っている人が刺されやすいとも言われますが、これは少量の運動で汗をかきやすいためです。

モスキートマグネットは、このような蚊の習性を利用した蚊取り装置です。プロパンガスの燃焼で二酸化炭素を広範囲(約4,000m2)に拡散させ、バイオ技術で生成した動物の臭いエキスを吸引剤として、装置を動物と錯覚させて、蚊をおびき寄せます。そして内蔵している電動ファンで吸引、最後は捕獲ネットに閉じ込めて乾燥死させます。

血を吸うのはメスだけ、春の産卵時期の駆除が効果的

蚊は、メスのみが血を吸います。通常蚊は、花の蜜、果汁、木の樹液などの糖分をエサとしますが、産卵期のメスは高タンパクの栄養素が必要となり、人などの動物の血を吸います。そのためモスキートマグネットに捕獲されるのは、メスのみです。蚊は、春に一度に約300個という大量の卵を産むため、この時期にメスの蚊を積極的に駆除することで、夏のシーズン中、蚊の発生を最小限に減らすことが可能となります。

水が溜まる場所、古タイヤ、墓地の花立てなどが発生源

よく知られている通り、蚊は水面を産卵場所とします。蚊の幼虫(ボウフラ)は、下水溝、空き缶、古タイヤ、竹の切株、墓地の花立てなどに生息し、これらすべてが蚊の発生源となります。また蚊は、暖かく湿気の多い場所を好みます。そのため、墓地のあるお寺や、湿気が避けられない露天風呂のある旅館などでは、モスキートマグネットは有効利用されています。装置は静音で、効果も広範囲にわたる為、レストランやホテルのオープンテラスなどの快適な環境づくりにも使用されています。

初めて蚊の防除の必要性を説いた、L.O.ハワード博士

人類は長い間、いかに蚊を防除するか格闘してきました。1920年代から30年代前半にかけて、米国の応用昆虫学者L.O.ハワード博士(1857 - 1950)は、マラリアなどの病気を運ぶ蚊の防除の必要性をはじめて本格的に説きました。同氏の著した『蚊―Mosquitoes―』(1902年発行)には、蚊の防除は、発生する溜り水へ少量の石油、あるいは灯油を注げばよいと書かれています。「注油駆除法」と呼ばれるこのような方法は、日本でも17世紀末に発見され、19世紀頃には全国的に普及しています。

パウル・ミュラー博士の殺虫剤発見で偉大な進歩

戦後になると、DDTの優れた殺虫効果が発見され、蚊の防除の歴史は偉大な進歩を遂げます。有機塩素系の殺虫剤・農薬であるDDTは1874年に合成され、1939年、スイスの科学者パウル・ヘルマン・ミュラー博士(1899 - 1965)によってその殺虫効果が発見されます。これにより蚊が媒介するマラリアの発生報告件数が激減し、ミュラー博士はマラリア撲滅の功績によって1948年、ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。これは「原子爆弾、ペニシリンと並ぶ三大発明のひとつ」とまで言われました。

殺虫剤は画期的だが、その毒性が心配?

しかし1960年代に入ると、DDTの毒性による環境破壊が問題視されるようになります。1962年、米国の生物学者レイチェル・カーソン(1907 - 1964)が発表した『沈黙の春』(邦訳は1964年発行)は、殺虫剤の毒性を指摘し、全米で大きな波紋を呼びました。現在でも環境団体などはDDTの全面廃止を叫んでいますが、多くの科学者や医者は途上国におけるマラリア対策のためにDDTの存続を求めている状況です。(現在日本では環境汚染防止のため使用禁止)

気軽に使用できる蚊取り線香、しかし効果の範囲は狭い

古くから利用され、現在も多くの人が家庭内で用いる防除法として、蚊取り線香、または蚊取りリキッドの使用があります。これは除虫菊の有効成分(ピレトリン)や、類似のピレスロイド系成分といった合成化合物を拡散させて蚊を駆除するものです。キャンプや野外作業など、アウトドアでの利用を想定した吊り下げ方式のものもありますが、その効果は狭い範囲に限られます。また農業や園芸においては、トンボなど蚊を捕食する生物を持ち込んで駆除する「生物的防除」という方法もありますが、効果には限界があります。

殺虫剤を使わず、子ども、ペット、家畜の周辺でも安心

モスキートマグネットは、殺虫剤は使用せず、蚊が好む二酸化炭素を拡散させ、動物エキスを吸引剤とし電動ファンで捕獲する、環境にやさしい蚊取り装置です。また効果も約4,000m2(半径約35m)と広範囲に及びます。毒性はないため、子どもやペット、家畜が近くにいる環境でも安心して使用できます。これらのことから、愛犬家の方々がフィラリア感染予防のために購入されたり、多くの一般家庭、幼稚園、保育園、家畜施設、並びにゴルフ場、旅館、ホテルなどで使用されたりしています。

世界を震撼させる蚊媒介性の感染症、日本でも「蚊の問題」は深刻化

蚊は不快なかゆみをもたらすだけでなく、恐ろしい病気を媒介します。蚊が媒介する病気は、マラリア、デング熱、黄熱、フィラリア症、日本脳炎などがあり、世界中でこれらの病気に感染する人は年間何億人もいて、死亡者は100万人を越えます。

日本では今でこそ蚊が媒介する感染症の発生はほとんどなくなりましたが、近年、地球温暖化の影響でこれらの感染症の再発が危惧されています。今後温暖化で平均気温が上昇すると、病気を媒介する蚊が北上し、生息地域を拡大することが予測されます。1940年代に大流行したデング熱、近年200人ほどが東南アジアで感染して、国内で発症していましたが、2014年8月27日国内での感染者が見つかり、その40日後には国内での感染者は157人と広がっています。また低流行状態を維持している「日本脳炎」も、近年、近隣アジア諸国で大流行しており、日本に媒介蚊が侵入してくる可能性があります。日本脳炎は感染しても発症は少数ですが、ひとたび発症すれば患者の約10~25%が死亡し、20~40%に精神障害や運動障害などの重い後遺症が残る恐ろしい感染症です。

ウエストナイル熱、チクングンヤ熱、話題の新興感染症も日本に上陸!?

1999年、「ウエストナイル熱」が突然ニュ―ヨークで発生し、4年後の2002年にはほぼ全米に広がり、4,000人を越す患者と284人の死亡者を出しました。その後も米国で毎年約1,000人の患者と約100人の死亡者を出しているウエストナイル熱の媒介蚊は、日本と米国を頻繁に往来する貿易船や飛行機を介して、日本に進入してくる可能性があります。この新興感染症は高熱や脳炎を引き起こし致死率も高い病気で、もし人口密度が米国の10倍以上ある日本で発生した場合には、より深刻な事態となると危惧されています。

「チクングンヤ熱」も近年話題の蚊媒介性の新興感染症です。チクングンヤ熱は2005年、インド洋レユニオン島で発生し、約1年間で15万人以上の患者が発生し、237人の死者が報告されました。39度以上の高熱と身体がのけぞるほどの関節痛(「チンクグンヤ」はスワヒリ語で「のけぞらせる」の意)などの症状が出るこの病気も、日本上陸の可能性は否定できません。現時点では治療法、ワクチンは開発されておらず、予防法は蚊に刺されないことだけです。

不快なかゆみと腫れ、かきむしってとびひになる子どもも

蚊の恐ろしさは、感染症を媒介することだけではありません。蚊は血を吸うときに、人の血の凝固を防ぐために唾液を注入します。この唾液がアレルギー反応を起こして不快なかゆみとなります。なかにはこの唾液に過剰なアレルギー反応を起こし、刺された部分が水ぶくれとなったり、赤く腫れあがり瘢痕となったりしてしまう場合もあります。「蚊刺症」「蚊過敏症」「蚊アレルギー」などと呼ばれるこれらの症状は、重症の場合には全身に発熱、蕁麻疹が出るなどし、死亡者の例もあります。また子どもの場合は、かきむしって傷から菌が入り「とびひ」になってしまうこともあります。とびひは、かゆみを伴う水疱ができる伝染性の皮膚病で、その名の通り、火事の“飛び火”のようにあっという間に広がり、プールなどで他人にうつってしまいます。

蚊の脅威から身を守るためには、刺されないことが第一

蚊の脅威から身を守るためには、蚊に刺されないことが第一です。蚊の季節や蚊が多く発生する場所に出掛ける際は、長袖・長ズボンを着用して肌の露出を避けたいものです。また虫除け剤の使用は基本的な対策のひとつです。しかし薬に含まれる忌避成分の「ディート(DEET)」は、毒性は低いとされながらも急激に吸い込むとけいれんや血圧低下、発疹などが起こる可能性が指摘されています。また欧米では皮膚炎などのトラブルも報告されているなど、特に子どもへの使用に際しては頻繁な使用は避けるなどの注意が必要です。さらには殺虫剤に耐性を持つ蚊も出現していることや、マラリアを抑えた抗生物質が効かなくなってきたという報告もあります。日本脳炎に関しては、重大な副作用が報告されたワクチンの接種の推奨を2005年から国は中止しており、安全性の高い新型ワクチンの実用化も遅れていることなどが懸念されています。

蚊を不必要に恐れることはありませんが、これらの現状を踏まえて、いざというときのために対策はしておきたいものです。生死に関わる深刻な感染症を運ばずとも、刺されればかゆく、耳元で飛ばれればうっとうしい蚊の存在は気になるものです。あなたの夏に快適と安全をもたらすために、殺虫剤を使用しない、環境にやさしい蚊取り装置・モスキートマグネットをぜひご活用ください。

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